YURICO.Piano Recital 「18℃の風景」

開催日時 2018年5月12日(土曜)  14:00開演 
会場 タカギクラヴィア・松濤サロン
URL : タカギクラヴィア・松濤サロンホームページ
交通 JR・東横線・地下鉄「渋谷駅」徒歩10分
京王井の頭線「神泉駅」徒歩2分
URL : タカギクラヴィア・松濤サロン アクセスマップ
入場料 3,000円 (全55席/全自由席)

お申し込み / お問い合わせ

山本百合子友の会で、チケット発売をいたしております。
松濤サロンホールは、全席55席と、お席に限りがございます。
恐れ入りますが、チケット発売は先着55名までとさせていただきます。
ご了承くださいませ。 皆さまのお越しを、心よりお待ちいたしております。

山本百合子友の会 : 042-339-0321
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曲目

◆J.S.バッハ

「羊は安らかに草を食み」 カンタータ BWV208

◆ベートーヴェン

ソナタ「月光」Op.27-2

◆ドビュッシー

「塔」〜"版画"より〜

「月の光」〜"ベルガマスク組曲"より〜

◆ムソルグスキー

「展覧会の絵」

エッセイ

YURICO. Piano Recital
18℃の風景

新緑の頃、5月12日 (土曜日) 午後2時より、渋谷の松濤サロンホールで、ピアノリサイタルを開催いたします。
5月の平均気温18℃は、自然界において木々が一番快適な環境と言われ、木と弦が共鳴して音を響かせるピアノにとってもベストな状態です。
心地よい安らぎの中で、音にのせて、皆さまそれぞれの心象風景の旅をお楽しみください。

オープニングは、J.S.バッハ(1685〜1750)作曲「羊は安らかに草を食み」。1723年38歳の時の作品です。“狩りカンタータ”BWV208の中のコラールです。パストラーレ風の安らぎに満ちた旋律に乗って、コラールが奏でられます。
続いてベートーヴェン(1770〜1827)作曲のピアノソナタ「月光」。ベートーヴェン自身が「幻想曲風ソナタ」と命名しています。“スイスのルツェルン湖の月光に揺らぐ小舟のよう”と親しまれた第1楽章は、幻想的で即興的な抒情あふれる楽章です。続いて、“2つの深淵の間の一輪の花”とリストが形容した可憐な第2楽章。そして激情の第3楽章は、生きることへのすさまじいエネルギーに満ちています。
次にドビュッシー(1843〜1907)。フランス生まれの作曲家で、当時の詩人マラルメ、ランボー、ヴォドレールと親交が深く大きな影響を受けました。恋人カミーユ・クローデルを通じて知った葛飾北斎の浮世絵に強烈な刺激を受けて作曲された“ 版画 ”。その第1曲目「塔(パゴダ)」は、華麗な東洋の幻想が広がり独創的な名作です。次に演奏します「月の光」は、“ ベルガマスク組曲 ”の第3曲目。
ベルガマスクとは、イタリアのベルガモ地方を指す言葉ですが、同時に、ドビュッシーが親交の深かった詩人ヴェルレーヌの詩集「雅びた宴」の中に出てくる“18世紀の宮廷的(ベルガマスク)な・・・”という詩のタイトルが「月の光」で、それからインスピレーションを受けたのではないかと思います。月の光のキラキラと輝く色彩を描写しています。

後半は、ロシアの作曲家ムソルグスキー(1839〜1881)の組曲「展覧会の絵」。
19世紀ロシアの国民楽派を代表する作曲家です。ムソルグスキーの親友、画家であり建築家ハルトマンの若くして突然の死。この組曲は、その遺作展で霊感に打たれ、3週間足らずで一気に書き上げられました。
失った天才画家に代わって完成させた芸術への賛歌が込められています。ピアノ原曲ならではの響きをお楽しみいただきたいと願っています。
曲の冒頭は、ムソルグスキーの足取りを表しているという“プロムナード”から始まりますが、曲中5回現れる“プロムナード”の心情と足取りの変化にも、繊細な揺らぎを感じ取っていただけましたらうれしいです。

皆さまと、豊かな午後のひとときをご一緒できますように。

百合子