山本百合子 ピアノリサイタル 「Yurico Abend 〜 百合子の夕べ」

開催日時 2017年6月8日 (木曜)  19:00開演 
会場 ルーテル市ヶ谷センターホール
URL : ルーテル市ヶ谷センターホールホームページ
交通 JR総武線 市ヶ谷駅 地上出口より徒歩7分
都営地下鉄新宿線 市ヶ谷駅 A1出口より徒歩7分
東京メトロ南北線 / 東京メトロ有楽町線 市ヶ谷駅 5・6出口より徒歩2分
URL : ルーテル市谷センターホール アクセスマップ
入場料 3,000円 (全席自由)

お申し込み / お問い合わせ

山本百合子友の会 : 042-339-0321
メールでのお申し込み・お問い合わせ : お問い合わせページ
曲目

◆ベートーヴェン/Beethoven

ソナタ Op.13「悲愴」

Sonata op.13 Pathétique

◆シューマン/Schumann

「子どもの情景」Op.15

Kinderszenen op.15

◆シューベルト/Schubert

「さすらい人幻想曲」D.760 Op.15

"Wanderer-Fantasie"D.760 op.15

エッセイ

「Yurico Abend 〜 百合子の夕べ」

来る6月8日 (木曜日) 午後7時開演、ルーテル市ヶ谷センターホールにて、ピアノリサイタルをいたします。
眩しい陽ざしに緑が濃く輝く頃、ドイツとウィーンから、3人の青年作曲家の熱い情熱をお届けいたします。

オープニングは、28歳のベートーヴェン(1770-1827)「悲愴」ソナタ。“悲愴”というタイトルは、ベートーヴェン自身が付けました。あえてフランス語で“Grande Sonate Pathetique”と書かれており、当時フランスで起こった市民革命に大いなる期待を持って書かれたことが伝わります。初期のピアノソナタの頂点とも言える傑作です。重々しい序奏を持つ、当時では型破りな作品で、爆発的な人気を博しました。第2楽章のアダージョ・カンタービレはこよなく美しく癒しに満ちています。 
次は、28歳のシューマン(1810-1856)、幻想の世界「子どもの情景」です。
愛するクララに綴った13曲のおとぎ話であり、7曲目は有名な“トロイメライ”、そして13曲目“詩人は語る”の、詩人はシューマン自身であり、儚い夢を語る秀逸な作品です。 
“子どもの頃の夢を忘れずにいる、おとなのためのメルヒェン”です。

後半は、25歳のシューベルト(1797-1828)「さすらい人幻想曲」です。
ウィーンで生まれウィーンで生涯を終えるシューベルトは、30歳の時、同じウィーンで尊敬し慕ってやまなかったベートーヴェンの死を迎えます。その葬列で泣きながら柩を担いだ翌年、31歳の若さでこの世を去ります。まるで人の一生を3倍速度で駆け抜けていった、神の申し子のように感じます。
“歌曲の王”と言われたシューベルトは、10代の若さで愛を詠い、人生のどん底を見据え、同時に天国の美しい調べを聴いています。「さすらい人幻想曲」の第2楽章は、19歳の時の歌曲“さすらい人”のメロディの変奏曲で、とても繊細で優雅です。現実の世界で、自分自身を“さすらい人”と感じながら、力強く憧れの国を夢見て作った曲だと思います。4つの楽章が切れ目なしに演奏されますが、ひとつのテーマが、全楽章を通して展開されます。これは、後の交響詩を思わせる画期的な作品であり、オーケストラ的な曲です。当時のピアノの音響的可能性を超えた作風に圧倒されます。

“幻想的な夕べ”をみなさまとご一緒できますことをお待ちいたしております。

百合子