山本百合子 ― ベートーヴェンを弾く ―

開催日時 2012年6月14日(木曜) 19:00開演 -終了しました-
会場 ルーテル市ヶ谷センターホール
URL : ルーテル市ヶ谷ホールホームページ
交通 JR総武線 市ヶ谷駅 池上出口より徒歩7分
都営地下鉄新宿線 市ヶ谷駅 A1出口より徒歩7分
東京メトロ南北線 / 東京メトロ有楽町線 市ヶ谷駅 5・6出口より徒歩2分
URL : ルーテル市谷センターホール アクセスマップ
入場料 3,000円(全席自由)

お申し込み / お問い合わせ

山本百合子友の会 : 042-339-0321
メールでのお申し込み・お問い合わせ : お問い合わせページ
曲目

◆ベートーヴェン
ピアノソナタ第17番「テンペスト」Op.31-2
 ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン・ソナタ」Op.53
 ピアノソナタ第23番「熱情」Op.57
 ピアノソナタ第26番「告別」Op.81a

エッセイ

― 円熟のベートーヴェン ―  

ベートーヴェンは、私の演奏活動の主軸であり、ベートーヴェンの人生を通して書き続けられたピアノソナタの演奏は、長年のテーマでもあります
このたび初めて、念願のオール・ベートーヴェン プログラムをお聴きいただきます。
ピアノソナタ全32曲のなかから、中期のソナタと言われる円熟期の名曲4曲を選びました。
  「テンペスト」「ワルトシュタイン」「熱情」「告別」
1802年32歳のベートーヴェンは、耳の病気の療養でウィーンの近郊ハイリゲンシュタットに滞在しますが、忍耐の限界にまで悪化し、人生に絶望した中で、「ハイリゲンシュタットの遺書」を書きます。人間として、音楽家としての苦悩の告白であり、遺書をしたためることで、絶望から立ち上がり、生きることへの力強い決意と作曲家としての使命を持って再起します。
その後に書かれた、この4曲を通して感じるのは、いずれもゆったりとした第2楽章が、厳かな安らぎと調和に満ちていることです。
すでに聴覚を失った無音の世界にあって、田園を散歩することが大好きだったベートーヴェンが、鳥の声を聴き、木々の葉ずれに耳を傾け、自然の中に身をゆだねて、自分自身に静かに歩み寄って行く精神世界が、そこにあります。
喧騒の日常の中、私たちの心に、穏やかな調べとなって響いてきます。