山本百合子 ピアノリサイタル

開催日時 2010年7月15日(木曜) 19:00開演 -終了しました-
会場 浜離宮朝日ホール (朝日新聞社新館2F)
交通 都営地下鉄大江戸線 / 築地市場駅 A2番出口
チケット代金 4,000円 / 全席自由

お問い合わせ先

山本百合子友の会 : 042-339-0321
朝日ホールチケットセンター : 03-3267-9990
演奏曲

◆ベートーヴェン
幻想曲風ソナタ「月光」 第14番
ピアノ・ソナタ 第30番

◆ショパン
ノクターン 第16番
ノクターン 第13番

◆シューベルト
「さすらい人 幻想曲」 D.760

YURICO FANTASIA

青年ベートーヴェン31歳のとき「幻想曲風ソナタ 月光」第14番“Sonata quasi una Fantasia”が生まれます。そして晩年50歳で書かれたソナタ第30番は、ファンタジーに満ちたロマンチシズムに溢れた作品です。

“歌うように、心の底からの感動をもって”とベートーヴェンの書き込みがあって胸に迫ります。

ウィーンで生まれウィーンで一生を終えるシューベルトは、30歳の時、同じウィーンでベートーヴェンの死を迎えます。

シューベルトは、こよなく尊敬し慕ってやまなかったベートーヴェンの死にショックを受け、その葬列で泣きじゃくりながらベートーヴェンの棺を担ぎます。

その翌年、31歳でこの世を去るシューベルトの人生は、まるで人の一生を3倍速度で駆け抜けていった“神の申し子”のように私は感じます。“歌曲の王”と言われたシューベルトは10代の若さで愛を詠い、人生のどん底を見据え、同時に天国の美しい調べを聴いています。

シューベルトの「さすらい人幻想曲」は25歳のときの作品ですが、生まれながらこの世に身を置きかねて、自分自身を“さすらい人”と感じながら、さびしい現実の世界から、力強く憧れの国を夢見て作った曲だと思います。

“幻想”は、音楽の究極の世界です。
時代や様式を超えた、心の自由な旅であり、普遍の旅なのだと感じます。
皆さまとこのホールで今宵かぎりのファンタジアを共有できますように。